2時限
あぁ、憧れの塾長・押井守?

押井守という人物が目の前にいる。
毎週毎週、俺から何か盗んでいけば? と飄々とした風情で(たぶん)、立っている―――。

神山 もともと押井さんをリスペクトしてたから、俺は。人には、いずれ俺は、押井さんと仕事をするだろう! と、公言してはばからなかった。なんの根拠もないのに。(笑)
藤咲 俺もアイジーに入る時、前のゲーム会社を押井さんと仕事するからって言う口実で、やめたんですよ。全然ウソ。口からでまかせ。(笑)
それでは、その押井さんに、じかにぶつかれる「押井塾」は、聞きたかったことを聞きだす、絶好のチャンスだっだ?
神山 押井さんに聞きたかったことって、山のようにあったんだけど。やっぱり、同じ仕事をしていると、聞けないんですよ、実際には。
藤咲 うん。
神山 それに、すごい饒舌な人だと思われてるけど、実は、受身タイプなんですよね、押井さんって。
藤咲 そうそう。
神山 で、俺もどっちかっていうと、受身タイプで。質問を 1 ぶつけられると、10 返すってタイプの人なんだけど。ぶつけない限りは、絶対、喋んないんですよ。
藤咲 ただ、こっちが、1 回ぶつけると、それがもう、散弾になって返ってくるんですよ。がぁって。
神山 でも、自分からは、喋ってくれないんで・・・。
藤咲 うん。
神山 本人もたぶん喋りにくいと思うんですよね。で、結局、山のようにあった聞きたいことは聞けなかったんだけど、企画書の中に滑り込ませることで、その答えは、ずいぶん返ってきたような気はしてますね。
藤咲 うん。ですね。忙しかったけど、面白かったですね。ほんの、半年・・・、半年もないな。3 ヶ月か、4 ヶ月位しかやってないですけど。
神山 すごい面白かったですよ。
藤咲 密度濃かったですよ、ほんとに、その間は。毎週毎週が勝負っていうか。
神山 楽しくてね。ほんとね、企画書を押井さんに見せるのが、楽しくて、楽しくて。
・・・でも、その企画書、1 回提出ができないと、もう次からは席がなかったという恐怖の伝説も・・・。
神山 といいながら、1 回目くらいは執行猶予あったのかな。
藤咲 ありましたよ、結構。
神山 やさしいなと思いましたけどね。
藤咲 なんだかんだ言って、押井さん優しいですよ、すごい。
神山 うん。
藤咲 押井さん自身も、あんまり、自分の下に人をつけたことがないから、逆に、面白かったのかもしれない。
神山 面白かったと言ってくれてましたね。
藤咲 自分の思いを語るっていうのはそうそうないし。
だから、ジャンルとか、畑が違うけど、企画に関しては、俺、押井さん師匠と思ってるし、親愛なる情をこめて、「オヤジ」と呼べますから。ま、ご本人に向かっては言わないですけど。(笑)



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