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原恵一監督が絵コンテを描き上げた段階では、「河童のクゥと夏休み」は実に3時間もある作品だった。
「河童のクゥと夏休み 絵コンテ集」(バジリコ刊)には、欠番となったシーンが原監督のコメントと共に全て収録されており、本来の演出意図やカットした理由も読み取ることができる。

絵コンテに収録されたシーンの一部は削られ、完成した「河童のクゥと夏休み」では欠番となっているが、実は途中まで制作が進んでいた箇所もある。 今回の欠番シーン集は、何らかの素材が存在する欠番シーンに、前後のシーンを合わせたもので約20分が収録されている。 これらの欠番シーンはアフレコがされていないため、音声は存在しておらず、セリフを字幕で示してある。
欠番シーン中のカットは、制作段階に応じて以下の三種類がある。
1. 線撮りのみ
コンテを撮影したもの、レイアウトを撮影したものや、カットによっては動画を撮影したものもある。 一切彩色はされておらず、アフレコ用に線画を収録していたカット。
2. 彩色済み
原画が描かれ、人物には彩色までされているが、背景が存在しておらず撮影処理が未完のカットとなっている。
3. 撮影済み
背景とキャラクターを合わせて撮影されたカット。ほとんどはカットとして完成しているが、一部にはエフェクトやCGが抜けているものもある。

 
康一、部屋に入り化石を出す(約39秒)
帰宅して石を洗い出すまでに、自室に戻る康一の描写が存在した。
嫌がる友佳里
(約27秒)

クゥの扱いを巡る保雄と由佳里の会話も、一部がカットされている。
友佳里と保雄の会話
(約26秒)

クゥが来てから保雄の帰宅が早まったことに、チクリと突っ込む由佳里のシーン。
冷蔵庫の音から夢。翌朝のカゼ騒動(約186秒)
雨中の散歩から帰ったクゥが風邪を引き医者へ行く。町内に噂が広がる伏線にもなっている。
康一の一人旅のドキドキ感(約43秒)
大宮駅から新幹線に乗るまでの、初めての一人旅をする康一の描写。
プールに入りたい瞳
(約15秒)

子供用プールで遊びたいが許されない瞳。その後遠野で思い切り泳ぐ康一との対比となるシーン。
やってくるトシオさん。康一とクゥの尻子玉話
(約87秒)

ドライブインで会ったトシオさんとの交流。カットされた中でもかなり長いシーケンス。
友佳里にTVレポーターがインタビュー(約31秒)
友佳里がTVに映ったシーンの前に、本来はスーパー内でのインタビューが意図されていた。
マスコミに追いかけられ調子に乗る康一(約17秒)
マイクを突きつけられ、有頂天になる康一。この後プールで同級生から無視される事への前振りとなるシーン。
テレビを見る一家
(約55秒)

ワイドショーのコメンテーターの言葉をテレビで聞いている上原家の面々。
楽屋でのやりとり
(約52秒)

出演を待つ楽屋での上原家。友佳里とオッサンがクゥを気にかけている描写がされている。
クゥとペンギンの魚とり対決(約56秒)
ペンギンを相手に魚をとる競争をさせられるクゥだが、海水が入った水槽という慣れない環境のため力を出し切れない。
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