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この人に直撃!>>>美術監督:柴山恵理子 |
![]() 背景美術は、毎回放映されているキョロちゃんの中で、キャラクターのうしろにある風景やへやの中を絵の具で紙に描いてゆきます。キャラクターデザイン、シナリオ、とたくさんの方々がつくって下さり、絵コンテででてくる場面をイメージして進めてゆきます。まずは、線だけで美術設定をつくります。“パチクリはおじさんと2人暮らしで貧乏だから古い家にしよう”とか、“ミッケンの部屋のベッドは穴ぐらのようで、大好きな本に囲まれてると落ち着くな”とか、思うまま気ままに考えます。それに監督や各話演出さんのOKを頂くと色で描けるのです。ボードという、もとになる絵です。美術の方で、美設をつくるのが大好きな方もたくさんいますが、私は、ものがどうなっているのかなど、つじつまをあわせたりがとても苦労するので(思いつきが多く、御迷惑のかけどおし)美設は「う~~~~ん(汗)」というかんじで、絵の具で描けるとき「うわぁーやったーっっ!!」というかんじです。心底、楽しんでいます。とにかくキョロちゃんには、大気汚染で汚れたビルビルビルとか出てこないし、自然あふれていて、夕日や朝日の光、さえざえとした月夜や空を描くことも多いのでうれしいです、私は。特に、いつもフラ~ンとみている空、雲、光のかんじを、描けるときが心が広がり、のびのびします。キョロちゃんではそういう場を与えてもらえるので有り難くおもっています。それと、メトリさんのごっちゃとした部屋や、マスカーラ&クリンちゃんの部屋の小物などを考えるととまらないかんじです、楽しくて。このように…こんなに自由にのびのびさせて頂き、ボードはありゃりゃとあちこちとんでいても、チーフを中心に1枚1枚、背景を描く仲間がきちんと良い仕事をしてくれて、初めて1話が落ち着くのです。まわりの方々にとても感謝しています。ありがとうございます。 ◇美術設定の仕事がしたい!!柴山さんはどのようにして今のお仕事につかれたのでですか? ずっと絵を描くことを仕事にするという、何故か変わらない想いが小さい頃からありました。両親とも、手塚さんのもとでアニメーションをつくっていたので、逆に、アニメを毛嫌いして育ち、カッコつけたカタカナの職業もいいかな~と、インテリアコーディネーターとか、ディスプレイ関係の学校に行ってみましたが、1mmでもくるったら×な作業が全然できずに、「あ~、絵の具でベタベタと手で絵を描きたい~~~」と思う日々でした。まぁ、その学校はあっさりやめまして、今もいる、スタジオ・ユニに入社したのでした。なんの知識もなく、アニメ嫌いでしたが、すごい先輩方や、きれいな美術ボードなどに囲まれ、先入観がぶっとびました。毎日、こんなに筆と絵の具が使えて、なんて楽しいのだろうと。その頃、美術の河野次郎さんに教えて頂いていましたが、「えりちゃん、そんなに楽しい?…ベタが…」とひややかに言ってもらったことを覚えています。(ベタの練習で満足してちゃダメだよ、という…(笑))その後はもう山あり谷あり…25歳で、劇場“クレヨンしんちゃんのヘンダーランドの大冒険”で発の美術監督をさせて頂き、TVシリーズ“はれときどきぶた”、劇場“のび太の結婚前夜・ドラえもんズ”そして今、“キョロちゃん”と美術監督をさせて頂けますのも、まわりの方々のお陰です。よく言われることは「柴山さんが、こんなに楽しく仕事ができるのは、まわりがそうとう苦労してるからじゃないか」という…。そこで大きくうなづく一同でした。―おわりー ◇“キョロちゃん”について一言お願いします。 “キョロちゃん”をとりまく世界を、とても楽しくつくらせてもらってます。キョロは素直で単純でとても好きです。 |
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