■レポート
午前11時からスタートしたプレスコ。通常のアフレコと同じように、まず監督から各役柄の説明を行った後、台本通 りに最初から最後まで、一回通して演じてもらう。その声をシーンとしたブースで聞くスタッフ。プレスコにも関わらず、さすがプロフェッショナル揃い! いきなり、アニメーションの世界が広がった感じ?。そんな中で、声優初挑戦の豊永さんの初々しさには、ある種の新鮮な感動がありました。椎名さんと豊永さんの年齢差も、まさにアルファさんとタカヒロ、というかんじで絶妙なかけあいー。  その後、何度も声優さんとスタッフとの細かいうち合わせを重ねながらプレスコは進む。 5.1chのため、マイクの位置をあれこれ変えたり、空調音をカットするため、通 風口にダンボールを貼ったりと、エンジニアが何回もブースとスタジオを往復。かつ、合間に連発される飯塚さんのハイテンションなギャグ…。そのパワーにも圧倒された現場でした。そして以下は、各声優さんからのコメントです!

<声優さんのコメント>

椎名さん(アルファ)

プレスコという方法は、私にとって初めてだったんですが、絵がなくて想像力で演じるというのは凄く不思議な感覚でした。ただプレスコだと、決められた間合いというよりは、かけあいをする声優さんとの間合いで演じられるというところに、醍醐味があると思いました。そういう部分で、今までの空気と違うものが出せていたらいいな…と。  ドラマCDからも5年、アニメーション自体も久々でしたけれども、アルファさんの感覚を失わないように演じてみたつもりです。皆さん、楽しみにしていてください。

長沢さん(マッキ)
今回、初めての参加ですが、最初に資料を読んだら“独特の世界観がある”という説明があって、一体どんな話なんだろうって楽しみにしていました。今回、プレスコということで、絵コンテを事前にいただいて、状況とか距離感なんかは、わりと想像しやすかったです。タカヒロ役の豊永さんが、一回り以上年下だったのが、ショックでした(笑)。(作品では)マッキは、そんな彼よりも年下の役だったで、個人的には頑張ってやってみたたつもりです(笑)。凄く楽しかったです、ハイ。

豊永さん(タカヒロ)
今回、プレスコどころか声優も初めてでしたが(ここで、「え~っ」というどよめきが他の声優さんからわき起こる。「そうだったの~!」と椎名さん)いろいろな仕事をやってみたいと考えていたので、挑戦させていただきました。映画や舞台と違って、声だけ。スタジオの中でマイクの前でお芝居をするというのは新鮮な経験でした。タカヒロ役、未熟ながら、精一杯頑張りました。皆さんに、よく聞いていただけたらいいなと思っています。宜しくお願いいたします。

中川さん(ココネ)
前にココネをやってから4年たっていたので、このお話をいただいたときに、とてもビックリしたのと同時にとても嬉しかったです。今日やってみた感想は、4年ぶん寝かせて、またいい意味で、別 の作品になったのではないかと思います。私は、アルファさんの物の見方とか考え方がとても好きで、日頃、ちょっと殺伐とした気持ちになりかけたときは、アルファさんのように“てろてろの時間”を過ごしてみたいな、と思うくらいに原作の大ファンです。なので、プレスコで撮ったこの声に絵がついて、色がついてどんな作品になるのか凄く楽しみです。声優として参加したけれども、どんな作品になるかは、私たちにもわからない不思議な体験でした。あの~、2巻もあるんですよね?ココネも出ますよね?(笑)

竹本さん(?)
監督さんに“好きなようにやってください”と言われましたので、好きなようにやらせていただきました。何パターンか取って、どのパターンが使われるかは僕にもわかりませんので、完成品を楽しみにしたいと思います。作品の世界観を表現できていれば嬉しいかな、と思います。

飯塚さん(おじさん)
プレスコというのは、妙な緊張感がありましたね。アフレコのように絵面 に合わせるのとは、表現力が違ってくるんでね?。放送前の作り方でもないんです。特に、このおじさんって、マンガでは全部あの同じ顔できてるわけでしょ? だからどんな声でどんなアレなのかなって意味で、作品の上がりに妙な心配と僕なりの楽しみがあります。セリフの一言一言に、それぞれがすごく重みのあるという気がして油断ならない作品でした。この作家の方は、本当に面 白いアイデンティティを持っていますね。難しい作品だったけれど、久しぶりに心の情感をゆすぶられました。 きっと話題を呼ぶと思います。