最終回放送記念CASTインタビュー
【上田祐司編】

上田祐司(うえだ・ゆうじ)プロフィール
1967年6月15日、福岡県生まれ。アーツビジョン所属。主な出演作品は『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚』(1996/相楽佐之助役)、『機動戦艦ナデシコ』(1996/テンカワアキト役)、『ハーメルンのバイオリン弾き』(1996/ハーメル役)、『ポケットモンスター』(1997/タケシ役)、『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』(1998/花中島マサル役)、『おじゃる丸』(1998/キスケ役)、『南海奇皇ネオランガ』(1998/ナレーション)、『ラブひな』(2000/浦島景太郎役)など。近作は『地球少女アルジュナ』(クリス・ホーケン役)。


――まずは『破壊魔定光』の全体的な感想をお伺いしたいのですが。

上田 アニメの設定がわかる前に、原作を読んだんですね。その頭で現場に来たもので、ちょっと混乱はありました。アニメ版ならではの「世界」へのスライドで苦労しました。原作がSF的な部分が強いのに比較して、アニメ版の世界のほうが、地に足が着いたというか、割と現実の世界に近いという印象を受けましたね。あとはもう、毎回いっぱいいっぱいになりながら、やってました。定光というキャラを定着させられればいい。それだけですね。最終四話で、定光が自分の信条を吐露していく課程で、どんどんテンションが上がっていくあたりが、久々に気持ちいい仕事でした。それから、この作品はやっぱりポンコツ。全部、ポンコツに持ってかれます。さすが、山路さんです。

――それでは、ポンコツとのからみのことで聞かせてください。

上田 山路さんとは、今まで現場でご一緒することはあったんですけど、今回みたいに「コンビ」として演じるのは初めてのことで。まあ普段からカッコいいとは思ってました。定光より全然カッコいいですね。ポンコツとのやりとりは本当に面白かったですよ。役どころとしても、非常に対照的ですからね。ポンコツの知的な部分と、定光の直情的な部分、と。だけど、ヘルメット型生命体と、それをかぶる人間ということで、ふたつのパーソナリティがとても近いところにいたりして。目線が一緒のような、ズレてるような(笑)。

――定光というキャラクターについては、どう思われましたか?

上田 キャラについても、先に原作を読んでいたんで、その絵の印象で声を作ってたんですよ。たとえば、原作の定光は顎が(比較的)丸い印象……というか尖ってはいないんですけど、アニメの定光はシャープなんですよ。ま、顎ばかりじゃありませんけど。僕はキャラの顎の形を見て、声を想定することもあるんですね。だから、そこでも、原作のイメージから、アニメのイメージに移行するには、それなりの努力が必要で……当然、その部分の作業は自分で昇華しないといけないところでした。

――全エピソード通じて、いちばん印象深かったことは?

上田 神代が幼なじみだったこと(笑)。お母ちゃんではなく。ああ、そうくるのかって思いましたね。毎回毎回、現場で次の台本をもらうので、そう先までのシチュエーションはわからないわけで。そこでまた「壁」に当たりました。

――ということは……そこまでは、やはり神代のことを母親だと思って、演じられていたのですか?

上田 いや、そういうわけでもないですね。やはり、先のことはわからない以上、決めるわけにもいかないので。まあ、そのいろいろ探りながら、です(笑)。アニメ版だと、失われてしまった幼なじみという設定で、それがわかってからは、とにかく怒濤の展開になったので、追いつかなきゃ。追いつかなきゃって、もうそれだけです。

――その怒濤の展開の果ての最終回だったわけですが。

上田 そうですね……つまり、自分が知ってる、目の前にいる神代の生を封じて、自分とは関係がないかもしれない、新しい神代に生を与えるという話ですよね。なんというか、切ないですよねー。男の選択でしょう、それは。

――定光以外のキャラクターの印象は? ポンコツ以外でお願いしますね(笑)。

上田 そうですね。後半に登場した、四天王のひとり、惡弐ですね。飯塚昭三さんが演じていて、すごいですよ。もっと戦いたかったんですけど、すぐに消えちゃって(笑)。飯塚昭三さんと戦うと楽しいですよ~(笑)。なにせ物心ついた頃からずっと地球と戦ってますからね~、大好きなんですよ、飯塚さん(笑)。

――収録の思い出などあったら、聞かせて頂きたいのですが。

上田 金曜日の朝一の収録は辛かったですね。やっぱり、時間帯によっての芝居への影響はあって。アクションものとかは、朝一は辛いですね。個人差があるかもしれませんけど、寝ないで来るようにしてました。神経をいったん疲労させて、自分を追いつめて演じるようにしてましたね。あまり余裕を持って演じたらダメなキャラクターかなと思って。

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