流刑体反省会番外編
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<制服泥棒コンビ誕生哀話>

----4話の厘隠は、そんな苦労することなく、みたいな?

篠原 一番最初に描いたラフが、そのまんま通ったんで。

----カバみたいなのも、いましたよね?

篠原 大畑さんが一番最初に“丸々と岩に見える”って言ってたんで、割とゴリッとした感じで考えちゃってたんですよ。でも、あんまり自分的には納得できてなくて、やっぱりこんな感じのボヨンとしたのがイイのかなって、一応、描いたんですよね。ただ自分的には、それが一番好きな感じだったんですよ。まぁ“これがイイ”って言われたんで良かったんですけど、問題はね、こっちの小っちゃい方が……。

----後武ですね。

篠原 もう、全然わかんなくて。これはね……言っちゃってイイのかな? だいたい、ラフを3つぐらい描くと、一番やりたいヤツがこれで、とりあえずこれはこれを引き立たせるためのアテウマっていうか、なんて言うんだろ、要するに捨案だったんですよ。だから、なんにも芸がないっていうか、やりたい部分が何もなくて、ただ単純に適当に描いたモノって感じだったんですよね。で“これがイイよ”っていわれちゃって、ショック……っていうかね、わかんないンですよ、何がイイの?って(笑)。だから正直、これが一番悩んだんですよ。これが一番時間かかったんですよね、描くのに。

----大畑さん的には、一番制服泥棒に見えそう、だったとか?

篠原 そン時は、シナリオ貰ってなかったんで、だから、どういう話になるのかもワカんないし。

----ああ、この頃は、シナリオより篠原さんの作業の方が早かったかもしれない。

篠原 たぶん、これは先行してたと思いますね、まだ(笑)。で、これ(の作業)が延びて、最終的に色付けやってる頃に、たしか(4話の)コンテを貰ったんですよ。ああ、こんなヤツだったんだ、ってわかって、スゲぇショック(笑)、みたいなのがあったンですけどね。だから決定稿は、自分で言うのも何なんですけど、結構中途半端な絵になってるんですよ。で、これねぇ、2~3週間やってた気がするんですよね。その間にね、某A監督から「まだこれやってンのか、おめぇ」とか「変わってねぇじゃねぇか」とか「何がやりたいのかわかんねぇな、赤鬼?」とかさんざんいわれて、余計ワケわかんなくなって(笑)。これに関しては何かこう、キャラクター的に捉えきれてなかったんですよね。大畑さんのラフ見ると耳に飾りって描いてあるし、飾りってことは、文明的なモノが何かあるのかなぁ、とか考えちゃうし。

----飾りって、決定稿にもありましたっけ?

篠原 一応、耳のところに珠が入ってるンですよ。人為的なモンなのか、自然に付いてるモノなのかは濁らせてあるんですけど。でも、ホントにコレ、悩みましたよね。もう気が狂うんじゃないかっていうぐらい何枚も同じ絵描いて。いつも1センチぐらいの厚みの紙の束が入るファイル持ち歩いてるんですけど、中身はコレだけって時期ありましたよ。20枚ぐらい同じ絵を持ち歩いてて、コレは違う、コレは違うとかって言いながら、1枚描いちゃ、またどんどん増えていくンですよ。一応、破って捨てるのはやめよう、って思ってるんで、残しておくようにしてたんですけど、ホントにねぇ、イヤになりましたよね。で、結局ね、最終的に出来上がったのもイマイチ気に入ってないんですよ。だから、一番、反省してンのは、コレなんですよ。なんかどうしても、頭にツノが付いてンのは何でだろう、とかって発想で考えちゃうところがあるンですよ、自分でラフを描いてるにも関わらず(笑)。結局、コレに関しては、何にも考えてないところで採用されちゃったンで、もうホントに出口のない迷路に迷い込んでしまったような感じでしたね。

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