流刑体反省会番外編
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<四天王(便宜的呼称)秘話>

----で、四天王ですけど。これは、大畑監督のラフがないですよね。

篠原 プロポーションの変更の指示とかってのはありましたけど、ただこの時はね、譲れない部分が結構多かったんですよ。ミニシリーズで、10体しか出ないって時に、横並びで見せて、こういうのでないとマズいんじゃないかっていうのがちょっとあったんで。スゴい細かい部分が多かったんですけどね、手が増えてるとか足がないっていうこと以前に、手のかたちだとか足のかたちとか。で、剛来が一番、肩の広さとか、譲れない部分が多かったんですよ。大畑さんの指示では割とカッコイイ感じで描いてあったんですけど、なんかちょっと、これじゃ当り前すぎるかな、っていうのがスゴいあって、ごめんなさい譲れません、とかって。

-----その、一番譲れなかった剛来ですが。

篠原 当初は韮沢(靖)さんのに似ないようにしようってのがスゴいあって、髑髏とか、なんか人間を連想させるようなパーツを使うのはやめようって思ってたんですよ。ただ、それが弾喪で脆くも崩れた(笑)んで……っていうか、調子にノッてやめちゃったンですけど、じゃあイイか……って、まぁ禁が解けた状態?(笑) ホントはね、こういうのスゴいやり易いンですよね。やり易いっていうか、描いてて、万人を納得させやすい絵じゃないですか? カッコ良さげでもあるし、怖そうでもあるし、凶悪そうでもあるし、なんかそういうのを盛り込み易いんですよね、こういう顔。だからホントは、やっちゃってイイのかな、っていうのは正直あったんですけど。

----ツノのディテールも、スゴい描き込んであるなぁ、みたいな。

篠原 これ(ツノの模様)はね、あんまりこだわってなかったんですよ。どうせ、こんな模様は作画で描いてもらえないだろうから(笑)。ただ、実写の場合はどうしても、こんなに広い面積が、しかも顔に付いてると、寄り(アップ)になった時になんかテクスチャーないと絶対もたないんで、描いとかなきゃって、割と流れで描いちゃってるんですよね。だからいいかげんなんですけど(笑)。

----惡弍はラフから大きく変わってないですよね。

篠原 そうですね、基本的な考え方は一緒ですよね。『エピソード1』のセブルバっていうか(笑)。なんか自分的には、惡弍ってこのまんま卵に入って生まれて来るワケじゃないだろう、っていうのがあったンですよ。合成生物っていうか、わりとこう、手にも顔があるとか、寄せ集め生物みたいな感じにしよう、ってことで、最終的にはこうなったんですけどね。

----手がついてるのは、監督からのオーダー?

篠原 え、手ついてました?

----コンテだと、隠し腕みたいな感じで。

篠原 なってました? なんだ、生きたんだ。こういう感じのキャラクターって、中距離支援型じゃないですか。だから、そんなに手を使う攻撃ってないだろうな、って感じがあったんで、手はなくしちゃってイイだろうって思ってたんですけど、某A監督に「こいつねぇ、タッパがあるから、(監督的には)たぶん何か、掴んだりしたいハズだよ」とかってね、いわれた気がするンですよ。じゃあ、手ぇつけとくか(笑)って、最初、肩のトコにつけてたンですけど、それだと、肩に足がついてるっていう有難みがなくなっちゃいそうな気がしたんで、途中のラフで1回、ジ・オ(『機動戦士Zガンダム』)の隠し腕みたいなヤツ描いたんですよ、コレで定光捕まえるっていのもイイかな、って(笑)。ただ、大畑さんは“別にいらねぇよ”とかっていってたんですけど(笑)。

----流牙は、最初のラフだと、手が鞭でしたけど。

篠原 その後で大畑さんからもらったラフが羽根になってたんで“あ、羽根がイイんだ”って(笑)。ただ、それは鳥っぽい顔がついてて、羽根がついてて鳥の顔だと、モロに鳥人間っていう感じで括られちゃうんで、それで顔は変えたんですよね。あとは薄っぺらい印象っていうか、まぁ羽根が薄っぺらいだろうから、あんまり厚みがないモノにしよう、っていう感じで統一できたかなぁって気はするンですけど。

----で、依弩ですが。

篠原 これは、結構悩んだなぁ。なんか、脳味噌に何かがまとわりついてるイメージなんだろうなぁ、って思って。まぁ最初に描いたのも、ふたつ生物があわさってる? みたいな感じかなぁ、ってのがあって。で、まぁ最終的にはベルトみたいなのが巻き付いて、実はその下にスジっぽい本体みたいのもちょこっと見えてるとイイかも、みたいな感じ。

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