躍進している 配信ビジネスに 全員野球で挑んでいきたい」

国内配信事業部は、動画配信サービスで作品を配信していただくための窓口業務を担当する部署です。以前はテレビ放送でアニメを観るのが主流でしたが、特にコロナ禍をきっかけに動画配信サービスでも映像をご覧になる人が増えて。最近は老若男女問わず配信でアニメをご覧になるようになっている感覚があります。

アニプレックスは自社の配信プラットフォームを持っていないので、私たちは外部の配信事業者へ営業、交渉をして、作品を配信する権利を許諾するライセンス業務を行っています。どれくらいの期間で1話いくらで購入していただけるか。そういった交渉を重ねていき、お互いに合意となったら契約書を締結して、映像や静止画などの素材を納品する。出来上がってきた宣伝物の監修を行い、配信開始日に向かって盛り上げていくということが主な仕事になります。

アニプレックスは1クールごとに新作として4〜7作を発表しているので、毎クールだいたいひとり1～2作品を担当しています。人によっては多いときは一度に3作品を担当する方もいますね。配信事業者に作品を紹介するときは、チーム全員で先方と打ち合わせをすることもあります。

日々のやり取りは配信事業者のような外部の会社に限らず、社内の制作・宣伝の方と打ち合わせをすることも多いです。配信プラットフォーム内での作品の見せ方や、どのビジュアルを一番に見せていくかといったことをしっかりと伺いつつ、視聴者に向けた宣伝施策の相談もさせていただいています。

最近は「テレビの放送と同時に配信をスタートさせたい」という作品プロデューサーからのリクエストを受けることもあるので、そういうときは配信事業者さんと打ち合わせをして、オンエアと配信開始のタイミングをそろえていくことも大事ですね。

アニプレックスには新作だけでなく、過去に放送・配信された作品が他にも数多くあります。シリーズ作品の新作があるときだったり、作品の周年の時期であったり、タイミングを見計らって、過去の作品をもう一度観てもらえるようにも考えています。

新たに配信するプラットフォームを増やしたり、配信事業者と相談して期間限定の一挙無料配信をしたりといった施策を打つこともあります。新作に加えて増え続ける旧作をカバーするのは大変ですが、みんなで協力しながら進めているところです。

自分の担当するタイトルの配信が開始されるときはやはり緊張しますね。配信がスタートする時間の前から、何度も配信サイトを見に行って、予定された時間通りに事故なく配信が始まるか気にかけてしまいます。無事に配信されるとほっとしますし、SNSで視聴者の作品の感想を目にするとすごく嬉しいです。この仕事にやりがいを感じる瞬間ですね。

国内配信事業部の雰囲気は……自慢ではないんですけど（笑）、メンバーの仲がとても良い部署だと思っています。それぞれ自由人で、マイペースに行動しているんですけど、みんなで力を合わせるときの結束力はすごく強い。信頼できる人たちが集まっている部署だと思っています。先ほども言いましたが、配信事業者と向かい合うときは、みんなで一丸となっているので、全員野球でやっている部署だなと思っています。

最近は扱う作品数が増えているので、多くの人に作品を届けるために、国内配信事業部としてどんな宣伝がふさわしいのか、どんなことができるのかをこれからも模索していきたいと思っています。

国内配信事業部の業務内容はどちらかというと地道な作業が多いです。ユーザーに直接関わるわけではなく、水面下でコツコツと積み上げていったことがカタチになるタイプの仕事なので、日々の小さな作業もしっかりとこなすことができる方が向いていると思います。

ただ、配信は比較的新しいビジネスだと思うので、未知の取り組みにも臨機応変に対応できる人、固定観念に捕らわれず新しいことに挑める人も、活躍できる場所かなと思っています。

私は学生のころからアニメが好きで、アニメに関わりたいと思って、アニプレックスと同じ業種の会社に就職活動をしていました。学生時代はいまの国内配信事業部の業務であるとか、ライセンスというものを詳しく知らずにいたのですが、実際に関わるようになってみて理解することができましたし、この仕事に面白さを感じることができています。

おそらく就職活動をされている方には、念頭に置いた目標ややりたいことをお持ちかもしれませんが、そこだけに視界を狭めずに、オープンなマインドで就職活動を進めてみるのもいいかもしれません。知らないことがあったら学ぶ、目の前のことは全て吸収するくらいの前向きな気持ちで臨むと、きっと良い出会いがあると思います。